【雑談】なぜ人はガジェットを愛するのか。

ガジェットが好きです。

家電量販店には何時間でもいられるし、ビックカメラ有楽町店ならジャンルによっては新人社員より詳しく案内できる自信があります。

そんな僕がなぜガジェットに心を惹かれるのか、ここに書き記しておきたいと思います。

(完全にユースデモクラシーに関係のない雑談ですw)

まず、最近のベストバイのご紹介から。

アイキャッチ画像にもある「THETA S」です。1年以上前の製品なので、なんだTHETAか、と思われた方もいるかもしれませんが、この周囲360°の風景を撮影できるガジェットは象徴的なテクノロジーだと思うので少し語らせてください。

Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA

(こんな感じに撮れます。こちらは一名病欠で全員揃わなかったのですが、「PRESIDENT WOMAN 9月号」でユースデモクラシー推進機構が協力させていただいた20代当選女性議員の座談会企画にご参加いただいた方々との打ち上げ兼政策談義の一場面です。ニヤケ顔ですみません。)

 

最初は、アウトドア用の防水コンデジ「STYLUS TG-870」を買うつもりだったのですが、悩んだ末に「THETA S」を買った理由がまさに僕にとっての「ガジェットの価値」を表す出来事だったのです。

どういうことでしょうか。

まず、アメリカの文化人類学者であるエドワード・T・ホール(1914~2009)のこの言葉を引用させてください。

「人間の手になる道具のすべては、かつて人間がわれとわが身体の特定の一部を使って行っていたことの拡張として受け取れる。」
ー『沈黙のことば』(原題:The Silent Language 、1959)

これは、カナヅチは人間の拳の機能を拡張したものだし、車輪は人間の足の機能を拡張したものといえるように、すべての道具は「人間の身体の一部を拡張」したものだ、という考え方です。

この考え方を知ったとき、なるほど!と思ったものですが、最近のガジェットはこの範疇に収まらないものも出てきています。

洗濯機や冷蔵庫やエアコンなどのいわゆる白物家電系は人間の身体を使って行う行為や生存環境・日常生活を楽にするものなので「身体拡張の発展形」といえるでしょう。

しかし、前述の「TEHTA」はどうでしょうか。

目の拡張と言えるかもしれませんが、360°の周囲の風景を一瞬にして感知することは「身体機能の延長」には無く、明らかに「新しい能力の付加」といえると思います。

つまり、単に「人間の視野角に映る風景」を対象にしたテクノロジーであるコンデジにはない魅力が「THETA」にはあるのです。

大げさかもしれませんが、人類は「文字」というテクノロジーで「思考」を低解像度で「可視化」し、保存・再生・伝達可能な状態にすることで驚異的な知的進化を遂げました。

同じように「今いる空間」を「可視化」し保存・再生・伝達可能な状態にするテクノロジーには人類を一段と進化させる可能性を秘めていると思うのです。

今のところ「THETA」は平面的な保存しかできませんが、将来的には「今いる空間」を立体的に保存・再生・伝達できるテクノロジーも一般化すると思います(VRの領域ですね)。

これらのテクノロジーは、「身体の拡張」を超えて「知覚の拡張」を促すものだといえるのではないでしょうか。

ドイツの生物学者であるヤーコブ・フォン・ユクスキュル(1864~1944)は「環世界(かんせかい、Umwelt)」という概念を提唱し、すべての動物はそれぞれに種特有の知覚世界をもって生きており、その主体として行動していると述べています。

これは、例えば、次のimageのように、人と犬とハエでは同じ空間であっても知覚できる情報が異なるため、それぞれに生きている世界が違うという考え方です。

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(出典:ユクスキュル/クリサート著『生物から見た世界』)

つまり、「知覚の拡張」を促すテクノロジーが一般化することは、私たちが生きている世界の見え方(便宜的に「見る」という言葉を使います)が変化し、物事の意味や認識の方法が変わる可能性があるということを意味します。

ややスピリチュアル的な表現になりますが、種として持っている人間の知覚器官でこの世に存在する森羅万象を認識することはできませんが、テクノロジーが発達することで、その深淵まで辿り着くことができたとき、人間は次の段階へ進化を遂げるのではないかと思うのです。

話が飛躍しましたが、何が言いたいのかというと、私たちガジェット愛好家は、なけなしの資源を新しいガジェットを試すために浪費 投資することで、人類の進化に貢献しようとしている開拓精神溢れる人々に違いないということです。

ということで、今までに人柱となった全てのガジェット愛好家に敬意を表し、筆を擱きたいと思います。

それでは、また次回。